2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

血統入門【第21回】北米に砂嵐を起こしたストームバード

大種牡馬ノーザンダンサーの本当の凄さ。 それは他の多くの種牡馬と異なり、 競走馬として優れた産駒だけではなく、 怪我や病気に泣いて競走馬として大成できなかった産駒ですらも、 後に一大勢力を築く大種牡馬となっているところです。 それが一頭だったな…

血統入門【第20回】幻の頂点ヌレイエフ

天というものは時に非常に残酷に、 才能あるものから活躍の場や時間を奪ってしまうことがあります。 我々人間の世界でも、 天災や病気など不可抗力により、 その活躍を妨げられ、時には命まで落とした英雄が数多く存在します。 競走馬の世界でも同様で、 し…

血統入門【第19回】稀代の快速後継者ダンチヒ

地域や環境を選ばず競争馬として活躍する、 あるいは種牡馬として複数の地域で優れた産駒を出す。 暑さにも寒さにも、 乾燥にも湿潤にも負けず。 時計のかかる芝でもダートでも、 あるいは日本のような高速馬場でも、 配合に応じて幅広い適性や、 ときには適…

血統入門【第18回】野性的聡明さを持つヴァイスリージェント

「英雄色を好む」 今でこそ世界の常識は「一夫一妻制」がほとんどの国での常識ですが、 むかしは権力を持った人物は、 それこそ国中から美女を集めてハーレムを作っていた時代が有りました。 私が好きな「三国志」でも、 随一の英雄、大物とされる曹操という…

血統入門【第17回】社台の英雄ノーザンテースト

基本的には気性面や健康面に弊害が発生しやすいと言われている強いインブリード。 私は武市銀治郎氏の「血の活性化論」に大きな影響を受けていて、 特に競馬予想や出資馬検討をする際などは、 インブリードの濃淡に注目して検討をしていますし、 武市氏の定…

ローズステークスとラジオニッポン賞の予想

ローズS 今年は中京芝2000で行われるということで、 例年と若干傾向が異なるのかもしれませんね。 ただ、 1800から2000への変化なので、 例年以上にしっかりとした実力を持った馬が台頭してきそうな感じ。 ◎デゼル 友道厩舎と武豊のラインはOP〜重賞クラスで…

血統入門【第16回】変幻自在の名マイラーリファール

競走馬の能力や性格、適正に最も影響を与える父の血。 その次に、ときには種牡馬である父以上に産駒に影響を与える母の父 (ブルードメアサイアー)という存在。 しかし日本近代競馬の結晶、 日本競馬史上最強馬と言われたディープインパクトの母の父の名を…

血統入門【第15回】気品ある三冠馬ニジンスキー

さて、今回からは「ノーザンダンサーの後継種牡馬編」ということで、 世界的な大種牡馬の血を拡大させた優秀な後継種牡馬たちにフォーカスして、 お話をしていきます。 第一弾はノーザンダンサーの2年目の産駒であり、 競争馬としても種牡馬としても非常に優…

血統入門【第14回】欧州で飛躍したネヴァーベンド

今回はナスルーラ系の最後のお話ということで、 ナスルーラの最後の世代の産駒(ラストクロップ)である、 ネヴァーベンドの紹介をしていきたいと思います。 ナスルーラ自身は非常にスピードに優れた競走馬、種牡馬でしたが、 前にご紹介したトニービンやブ…

血統入門【第13回】鷹を生んだレッドゴッド

ナスルーラ系の第3弾 今回はナスルーラ系の中でも特にその後欧州で発展した、 レッドゴッドについてお話していきます。 ここまでの復習をまとめると、 ●ナスルーラはネアルコの子で、系統を世界中で発展させた偉大な種牡馬 ●アメリカを中心に一勢を風靡した…

2020年8月の一口馬主収支

8月は予定されていたよりも出走自体が少なく、 収支的にも苦しい月となってしまいました・・・ のこり4ヶ月でおよそ80,000円のマイナス収支という状況。 レッドフレイのOP戦。 レッドクレオスの復帰。 レッドライデンの復帰。 2歳馬のデビュー? と巻き返し…

血統入門【第12回】砂王の矜持ボールドルーラー

生き残るのは「強い者」ではなく「変化に対応できる者」である。 『強者生存』ではなく『適者生存』という考え方に基づいたこの言葉は、 ビジネスの世界でもよく使われているのを目にしますね。 曰く、生き残るのはいち早く変化に対応した企業だ、と。 種牡…

血統入門【第11回】快速の遺伝子、芦毛のグレイソヴリン

イギリスに産まれ、 アメリカの地を起点にその快速の遺伝子を広めた偉大なるナスルーラ。 ここからは何回かに分けて、 そのナスルーラがその後どのように分岐して、 系統を発展させて現代の競馬につながっているのかを書いていこうと思います。 今日の主人公…

血統入門【第10回】良血を証明したロイヤルチャージャー

サラブレッドの血統や競争能力の遺伝というのは非常に難しいもので、 血統が全く同じ全兄弟姉妹でも全く異なった適性や性格、 競走能力を持って産まれてくることがほとんどです。 全兄がG1レースを複数勝利している名馬なので・・・ と高い出資金を払って期…

血統入門【第9回】逞しい先住民の血ネイティヴダンサー

一つの地域で発展し洗練されてきた血に固執することで、 同じような近い血の交配を続けてしまうと、 一時的に優れた血の凝縮と固定化によって天才を生み出せても、 やがてそれらの血統は活力を無くして衰退の道をたどっていきます。 今まで書いてきたように…

新潟記念の血統予想

新潟記念 ◎https://blog.with2.net/link/?id=2001983 この馬は近走不調気味で人気落ちしているものの、 今回の新潟2000m外回りはベストコースなのではないか、 と見て一発を期待。 父ハーツクライはサンデー×トニービンの欧州型サンデー系。 母父インティカ…

血統入門【第8回】世界に君臨したノーザンダンサー(後編)

夏にスイカを食べる時に「もっと甘いスイカが食べたい」と思ったら、 皆さんはどうしますか?? 不思議な話ですが、 おそらく多くの方がスイカの甘さを引き出すために、 しょっぱい塩を振りかけるのではないかと思います。 また数年前に、 やたらと「塩キャ…

血統入門【第7回】世界に君臨したノーザンダンサー(前編)

血統には「クロス」や「インブリード」という考え方があります。 同じ馬の血や全兄弟、全姉妹など極めて相似な血を近い世代に来るような配合をすることで、 その優れた血が増幅、凝縮された「新たな天才」を生み出そうという狙い。 あるいは国家としても競馬…

血統入門【第6回】快速の開拓者ナスルーラ

本日の主人公は前回取り上げたネアルコの息子、 偉大なるアメリカ競馬の開拓者ナスルーラです。 彼はネアルコの母系に内在されているアメリカ育ちの「雑草血統」の活力を呼び起こし、 アメリカの地で種牡馬として大成功を収めてアメリカ競馬の発展に大いに貢…