血統
現役引退後はアイルランドで種牡馬生活をスタートしたデクラレーションオブウォー。 翌年にはアメリカに渡り、シャトル種牡馬としてオーストラリアでも供用されている。 そして2019年。 彼は日本競馬を新たな戦いの地として選び、 日本での種牡馬生活をスタ…
観客の歓声を最も湧かせ、強烈な印象を与える追い込み脚質。 マインドユアビスケッツは世界中のホースマンや競馬ファンが見つめる視線の先、 界最高峰のドバイの舞台で2度も鮮やかな追い込みを決めて見せた。 鋭く、強烈で、そして美しさを感じるほどの鬼脚…
大種牡馬ミスタープロスペクターの中に眠っていた芝競馬への適正。 その才能は一頭の偉大な競走馬であった牝馬と結びつき、 後にサイアーとして世界中にその血の影響力を広げる一頭の天才的な良血馬を産み出しました。 今回の主人公キングマンボは、 父のサ…
偉大なる世界的サイアーであるノーザンダンサーの母の父として、 今日まで世界中の競馬シーンに影響を与え続ける、 「グレイゴースト(灰色の幽霊)」と呼ばれた芦毛の名馬ネイティヴダンサー。 redfray.hatenablog.com 彼は、自身のサイアーラインの拡大と…
自身も競争馬として非常に優れた才能を持ち、 ケガに泣き志半ばで引退した後には、 種牡馬としてそれを後継産駒たちにも余すことなく伝えた稀代の天才「ターントゥ」。 redfray.hatenablog.com そしてそのターントゥと、 北米の逞しい活性血統を豊富に持った…
荒ぶる気性と類まれなる競走能力を持ちながら、 わずか8ヶ月で競走生活を引退したヘイルトゥリーズン。 種牡馬としての大きな功績の一つに、 今回の主人公、ロベルトを輩出した事が挙げられます。 種牡馬となって世界中で産駒が活躍し、 日本でも多くの子孫…
日本競馬を大きく変えたロベルトとサンデーサイレンスの血。 その、時に危ういほどの気性の激しさと競走での爆発力は、 アメリカ競馬に突如現れ、 ひと夏の幻の如く駆け去っていった名馬から受け継いだものでした。 その馬の名はヘイルトゥリーズン。 彼の血…
菊花賞は京都芝3000m 近年はスローからの直線勝負でスタミナ以上にスピードや切れ味が重要になっていますが、 そうは言ってもやはり外周りの3000m いままで数々の中距離ベストホースや内回りの上がりがかかるレース向きの人気馬達を沈めて来たレースですし…
父からスピードを。 そして母方からはスタミナを取り入れる事に優れ、 多彩な距離や舞台で活躍する産駒を送り出すという事が、 名種牡馬の条件の一つです。 代を経るごとにスタミナ型にシフトしていくので、 どうしても系統の特徴や距離適性の把握が難しくな…
20世紀末の1999年。 唯一後塵を拝した偉大なライバルを悲劇が襲った後、 国内最高峰のレースを制した日本の怪鳥「エルコンドルパサー」は、 遠く海を渡りフランスを戦場に選びます。 馬場の違いにしばらく戸惑ったエルコンドルパサーは初戦のイスパーン賞(G…
大種牡馬ノーザンダンサーの本当の凄さ。 それは他の多くの種牡馬と異なり、 競走馬として優れた産駒だけではなく、 怪我や病気に泣いて競走馬として大成できなかった産駒ですらも、 後に一大勢力を築く大種牡馬となっているところです。 それが一頭だったな…
天というものは時に非常に残酷に、 才能あるものから活躍の場や時間を奪ってしまうことがあります。 我々人間の世界でも、 天災や病気など不可抗力により、 その活躍を妨げられ、時には命まで落とした英雄が数多く存在します。 競走馬の世界でも同様で、 し…
地域や環境を選ばず競争馬として活躍する、 あるいは種牡馬として複数の地域で優れた産駒を出す。 暑さにも寒さにも、 乾燥にも湿潤にも負けず。 時計のかかる芝でもダートでも、 あるいは日本のような高速馬場でも、 配合に応じて幅広い適性や、 ときには適…
「英雄色を好む」 今でこそ世界の常識は「一夫一妻制」がほとんどの国での常識ですが、 むかしは権力を持った人物は、 それこそ国中から美女を集めてハーレムを作っていた時代が有りました。 私が好きな「三国志」でも、 随一の英雄、大物とされる曹操という…
基本的には気性面や健康面に弊害が発生しやすいと言われている強いインブリード。 私は武市銀治郎氏の「血の活性化論」に大きな影響を受けていて、 特に競馬予想や出資馬検討をする際などは、 インブリードの濃淡に注目して検討をしていますし、 武市氏の定…
競走馬の能力や性格、適正に最も影響を与える父の血。 その次に、ときには種牡馬である父以上に産駒に影響を与える母の父 (ブルードメアサイアー)という存在。 しかし日本近代競馬の結晶、 日本競馬史上最強馬と言われたディープインパクトの母の父の名を…
さて、今回からは「ノーザンダンサーの後継種牡馬編」ということで、 世界的な大種牡馬の血を拡大させた優秀な後継種牡馬たちにフォーカスして、 お話をしていきます。 第一弾はノーザンダンサーの2年目の産駒であり、 競争馬としても種牡馬としても非常に優…
今回はナスルーラ系の最後のお話ということで、 ナスルーラの最後の世代の産駒(ラストクロップ)である、 ネヴァーベンドの紹介をしていきたいと思います。 ナスルーラ自身は非常にスピードに優れた競走馬、種牡馬でしたが、 前にご紹介したトニービンやブ…
ナスルーラ系の第3弾 今回はナスルーラ系の中でも特にその後欧州で発展した、 レッドゴッドについてお話していきます。 ここまでの復習をまとめると、 ●ナスルーラはネアルコの子で、系統を世界中で発展させた偉大な種牡馬 ●アメリカを中心に一勢を風靡した…
生き残るのは「強い者」ではなく「変化に対応できる者」である。 『強者生存』ではなく『適者生存』という考え方に基づいたこの言葉は、 ビジネスの世界でもよく使われているのを目にしますね。 曰く、生き残るのはいち早く変化に対応した企業だ、と。 種牡…
イギリスに産まれ、 アメリカの地を起点にその快速の遺伝子を広めた偉大なるナスルーラ。 ここからは何回かに分けて、 そのナスルーラがその後どのように分岐して、 系統を発展させて現代の競馬につながっているのかを書いていこうと思います。 今日の主人公…
サラブレッドの血統や競争能力の遺伝というのは非常に難しいもので、 血統が全く同じ全兄弟姉妹でも全く異なった適性や性格、 競走能力を持って産まれてくることがほとんどです。 全兄がG1レースを複数勝利している名馬なので・・・ と高い出資金を払って期…
一つの地域で発展し洗練されてきた血に固執することで、 同じような近い血の交配を続けてしまうと、 一時的に優れた血の凝縮と固定化によって天才を生み出せても、 やがてそれらの血統は活力を無くして衰退の道をたどっていきます。 今まで書いてきたように…
夏にスイカを食べる時に「もっと甘いスイカが食べたい」と思ったら、 皆さんはどうしますか?? 不思議な話ですが、 おそらく多くの方がスイカの甘さを引き出すために、 しょっぱい塩を振りかけるのではないかと思います。 また数年前に、 やたらと「塩キャ…
血統には「クロス」や「インブリード」という考え方があります。 同じ馬の血や全兄弟、全姉妹など極めて相似な血を近い世代に来るような配合をすることで、 その優れた血が増幅、凝縮された「新たな天才」を生み出そうという狙い。 あるいは国家としても競馬…
本日の主人公は前回取り上げたネアルコの息子、 偉大なるアメリカ競馬の開拓者ナスルーラです。 彼はネアルコの母系に内在されているアメリカ育ちの「雑草血統」の活力を呼び起こし、 アメリカの地で種牡馬として大成功を収めてアメリカ競馬の発展に大いに貢…
1869年 イタリアのトリノの地で資産家の家庭に生まれた少年がいました。 少年はやがて成人となり、 イタリア陸軍の騎兵士官として軍役を終えた後に、 29歳の若さでミラノ北部マッジョーレ湖の近くに「ドルメロ牧場」という小さな牧場を開きます。 ちょうどセ…
奇跡の血量と言われる「○○の3×4のインブリード」という配合。 サラブレッドの配合の歴史は「近親配合の繰り返し」で、 優れた血同士の掛け合わせをして、 更に優れた競走馬、種牡馬、繁殖牝馬を生み出そう。 その理念のもとに、時には恐ろしいほど近い血(半…
偉大なるエクリプスから数世代を経て現れたセントサイモン、ファラリス、ゲインズボローという歴史的種牡馬たち。 そのうち第2回で紹介したセントサイモンはキングファーガスやブラックロックを経たサイアーライン、 そしてファラリスはポテイトーズやストッ…
競馬の血統について話をされるとき、 必ず出てくるのが「地域ごとの血統の特徴のちがい」です! もちろん同じ地域でもスプリンターもいればステイヤーもいるし、 芝馬もいればダート馬もいます。 ただ、サラブレッドの遠征が活発になった今は数百年前の昔ほ…