過去のブログの方から、
一部の連載記事を移設していきたいと思います。
血統における基本的な用語や知識。
競馬のレース予想だけではなく、
POG馬や一口馬主の出資馬を検討、選定する際にも、
大いに役に立ってくれます。
ここでは、
まず血統に関する基礎的なワードや知識を、
堅い感じではなくゆるい感じで書いていきたいと思います。
基礎の基礎的な内容も含まれるので、
「そんなの分かってるよ!」という感じだったら飛ばし読みしてもらえればと思います(笑)
【血統】
そもそも血統とは?
人間でいうと「家系図」のようなものです。
お父さんは誰?お母さんは誰?どんなお兄さん、お姉さんがいるのか?
おじいさん、おばあさんは?おじさんおばさんや従兄妹は誰か?
それは馬の世界でも同じで、
各サイトのプロフィールページには、
だいたい「血統表」というリンクがついていて、
5世代ほど前のおじいさんおばあさん達まで先祖が確認できると思います。
【全兄弟(姉妹)、半兄弟(姉妹)】
人間の世界と馬の世界で異なるのが、
「同じ父親の馬だが母親が違う馬を、兄弟(姉妹)とは言わない!」という事です。
逆に同じ母を持つ馬同士であれば、父親が違っても兄弟や姉妹となります。
実例を挙げると、
私の大好きだったワールドエース(父ディープインパクト 母マンデラ)と、
サトノダイヤモンド(父ディープインパクト 母マルペンサ)は同じディープ産駒ですが、
兄弟ではありません。
今年惜しくもクラシック出走が叶わなかったワールドプレミア(父ディープインパクト 母マンデラ)
は、父も母もワールドエースと同じなので、
「ワールドエースの全兄弟(全弟)」という事になります。
サトノダイヤモンドの兄弟は、
父は異なるけど母は同じリナーテ(父ステイゴールド 母マルペンサ)や、
こちらも惜しくもケガでクラシック出走できなかったサトノジェネシス(父ディープインパクト 母マルペンサ)などです。
リナーテは父が異なるので「サトノダイヤモンドの"半"妹」
サトノジェネシスは「サトノダイヤモンドの全弟」
となりますね!
※競馬の世界では父親として年間に100を超える産駒を輩出する馬もいるので、
それらすべてを兄弟(姉妹)と言っていては親族だらけですからね(笑)
親戚や近親、兄弟姉妹という言葉は、母親の系統が同じ馬同士に対して使われます。
【インブリード(クロス)とアウトブリード】
インブリード(クロス)と言われる条件は本や血統論者によっても違うのですが、
多くは「5代血統内に同じ血(あるいは極めて相似な血)を持っている場合」に使われます。
逆に5代血統内に同じ血(あるいは極めて相似な血)を持っていない場合は、
「アウトブリードな血統」となります。
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106353/
上のリンクは、またしても私の大好きなワールドエースの血統表です。
ワールドエースは父方の5代目にノーザンダンサー(Northern Dancer)の血を持ち、
母方の4代目におなじくノーザンダンサーの血が有るので、
「Northern Dancer5 x 4のインブリード(クロス)」となります。
基本的に、インブリードやアウトブリードの配合は、
「意図的に、狙って配合をされる事が多い」という事です。
それぞれ、下のような効果があると言われています。
※もちろん個体差は有りますし、インブリードの近さ(濃さ)などによっても異なります。
あくまで傾向として参考にして下さい。
▼インブリードの効果
・クロスした種牡馬の特徴を強化し前面に押し出す
(優れた先祖の持っていた優れた能力を呼び覚ます)
・早熟性が高まる
・スピードが増す
・気性が荒くなりがち
・体質が弱くなちがち
▼アウトブリードの効果
・スタミナやパワーは増すがスピード不足になりがち
・体質が強くなり長い競争生活と、優れた繁殖能力が期待できる
どちらが良い悪いというのは、一概には言えません。
過去の数多の名馬の中でも、
全くクロスを持たない馬もいれば激しい近親配合で生み出された名馬もいます。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」なので、
激しいクロスには競争能力の爆発的増幅効果が期待できる反面、
デメリットが激しく伝わったり気性や体質が非常に悪い馬が出てしまう危険が有る事を覚えておいて下さい。
【ニックス】
簡単に言うと、「相性が良い組み合わせ」の事です。
有名なニックスとしては、
・父ステイゴールドと母父メジロマックイーン
・父ディープインパクトと母父Storm Cat
・父キングカメハメハと母父サンデーサイレンス
等が有りますね。
上の3つは父と母父なので、競馬新聞などでもパッと確認できる情報ですが、
難しいニックス(遠い血同士だけど実は相性が良いよ)という組み合わせも、
実はかなりの数有ります。
「ディープインパクト産駒で、母方にダマスカス(Damascus)の血を持っている馬は、勝ち上がり率がとても高い」などです。
※この場合だとダマスカスは1960年代に活躍した馬なので、
まず近い世代にこの血が入っていることはないのです。
上のような血統表などで確認を行っていく必要が有ります。
このような相性が良い血同士の掛け合わせをニックスと言い、
ニックスの数を知っていれば知っている程、
一口出資やPOG検討などでは有利ですね!
第一回は以上となります。
ゆるーくと言いながらも、少し小難しい内容も出てしまいましたね(笑)
第二回は、日本競馬を変革させたサンデーサイレンスの血統に関して、
語っていきたいと思います!