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さて、今回はサンデーサイレンス系の種牡馬の中で、
芝中距離を中心に適正を見せる産駒が多い種牡馬の血統に関する情報をご紹介していきましょう!
現在後継種牡馬の産駒はだんだんと数が減ってきていて次の世代へ移行しようとしていますが、
最近は母父にサンデー後継種牡馬を持った馬が、活躍するシーンが増えてきています。
父系としてあれだけの猛威を振るったサンデー系の種牡馬たちですから、
当然母父の位置にその血が入っても、影響力は高いわけですね。
しっかりと特徴を掴む事で、識別に役立てて頂けたら幸いです!
■ステイゴールド(1994年生まれ)
▼影響血脈
ディクタス(サブ:Princely Giftとノーザンテースト)
▼特徴
・ディクタスのスタミナ、非力さ強くを伝える
・Princely Giftのスピードとしなやかさを伝える
・マイル近辺を得意とする産駒はスピードと厳しい流れに耐えうる底力が有るため、
上級条件でも活躍できる(むしろ上級条件のタイトな流れが良い)
・基本非力なので、ダート血脈やノーザンテーストを補強するなどパワー型の母系との配合が〇
・父に似て気性が荒い産駒が多いため、ナイーブになりやすい牝馬の活躍馬は少なくなっている
▼代表産駒
ゴールドシップ、オルフェーヴル、ドリームジャーニー、フェノーメノ、レインボーライン、ナカヤマフェスタ、インディチャンプ、オジュウチョウサンなど
▼後継種牡馬
ゴールドシップ、オルフェーヴル、ドリームジャーニー、フェノーメノ、レインボーライン、ナカヤマフェスタ
→中距離~長距離に適正を見せる産駒が多いスタミナ型サンデー系の種牡馬ですね。
代表産駒一覧を見ると分かる通り「非常につかみどころの難しい」種牡馬です。
凄まじい強さでいきなりのジャイアントキリングをすることもあれば、
向かないレースではあっけなく馬群に沈んで2桁着順という事も何度もある産駒が多いです。
ステイゴールドと言えば・・・
母父メジロマックイーンとのスーパーニックス(オルフェ&ドリジャ、ゴルシ、フェイトフルウォー等)が有名。
そして非常にマイナーな母父との組み合わせで、強い馬を出してしまう種牡馬です。
(ナカヤマフェスタなんて、母父タイトスポットですからね・・・(笑))
これがつまりどういう事かと言うと、
ステイゴールドはスタミナがあってスピードもあって、
丈夫という意味でタフな体質だけど、
気性が荒くてパワーに欠ける産駒が多いんです。
だからメジロマックイーンのような、
古き良き在来牝系(タフさとパワーとスタミナに優れる)の繁殖と好相性でゴールドシップやドリジャ兄弟のような、
丈夫で競争能力に優れたスタミナのお化けを輩出したり、
雑草血統の繁殖と組み合わせると、
ナカヤマフェスタやフェイムゲームのような、
自分の庭では半端じゃない強さを見せる、
決して王道路線のエリートではないけど名馬と言われるガテン系の馬を輩出したりするのですね。
これは後々に別のテーマでお話をしていこうと思っているのですが、
これに非常に似た傾向を見せる種牡馬が「スクリーンヒーロー」です。
・モーリス(母父カーネギー)
・ゴールドアクター(母父キョウワアリシバ)
・グァンチャーレ(母父ディアブロ)
・ジェネラーレウーノ(母父ロックオブジブラルタル)
母父雑草種牡馬と相性が良いのも、
ダンチヒ系との組み合わせが好相性なのも、
ステイゴールドと共通しています。
これは私の仮説なのですが・・・
共通しているサンデーサイレンスとノーザンテーストの血が、
雑草血統のタフさに呼応してこのような個性的な名馬を輩出するコアになっているのではないかと考えています。
サンデーは母系雑草血脈ですし、ノーザンテーストは非常にタフさと頑健さを伝える種牡馬ですからね。
■スペシャルウィーク(1995年生まれ)
▼影響血脈
マルゼンスキー(サブ:シラオキ牝系)
▼特徴
・自身のストライドを伝えて、外回りを得意な産駒が多い。
・フィリーサイアーであり、牡馬の超大物はついに出なかった。
・しかし母系に入るとマルゼンスキーや在来牝系のスピード、底力を伝え、
今後は父母父や母父として良い産駒を出していくと予想される。
・基本非力なので、急坂やダートは△
・牝馬の大物2頭は共通して「ナスキロ」血脈持ち。キレを引き出す配合がよさそうか。
▼代表産駒
ブエナビスタ、シーザリオ、リーチザクラウン、インティライミ、トライアンフマーチなど
→現役時代は小回りの皐月賞や春秋のグランプリで強敵に敗れ、
外回り大箱の東京コースで最高のパフォーマンスを発揮するという分かりやすい馬でした。
ダービーの「並ばない!並ばない!」や天皇賞秋での「逆襲のラン」、そしてジャパンカップでの「やはり日本総大将!」の走りが、
スペシャルウィークのベストバウトですね。
そしてスペシャルウィーク産駒の最高傑作、
娘のブエナビスタも小回りコースではことごとくライバルたちに敗れました。
この馬も、最高のパフォーマンスはオークスや天皇賞秋、JCといった東京コースでしたね。
シーザリオも同じです。
残念ながらブエナビスタは産駒があまり強くない為、
東京コースの適正云々以前の問題になってしまっていますが、
有名なのはシーザリオの子供たち(エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリア)です。
リオンディーズは残念ながら完成前にケガで引退となってしまいましたが、
エピファネイアは最強メンバーの揃った稍重JCを圧勝。
サートゥルナーリアはロードカナロア産駒なので、
来年の安田記念や天皇賞秋ですさまじいパフォーマンスを見せてくれるのではないかと楽しみにしています。
非力さがあり小回り急坂はあまり得意ではない。
キレを伝えやすいので牡馬<<<牝馬のフィリーサイアー。
そして外回りでは並ばない!
個人的にはステイゴールドよりずっとつかみどころの難しい馬ですが、
こんなイメージで母系に入ってキレの増強剤となるような血脈として存在感を発揮していくと考えています。