知られざるドイツ競馬

少し前にはマンハッタンカフェや名牝ビワハイジが、

昨年の競馬でもヴェロックスやワールドプレミアが持っているドイツ競馬の血統

 

フランスやイギリス、アイルランドと比べても、

まだまだその存在は日本の競馬ファンにとってなじみが薄いと思います。

 

ただ血統的には今後も非常に重要となってくると考えていて、

ドイツ競馬には長らく自国内で培った「独自のドイツ血統」が存在します。

競馬の発祥以来、多くのサーアーラインを衰退させる原因となった「血の飽和」

そして新たな血統旋風を巻き起こしてきた「主流血統と異なる異系血脈」

 

サンデーサイレンスノーザンダンサーキングマンボ(ミスタープロスペクター)、ナスルーラ

そういった主要な血統に対しての起爆剤として、

今後ドイツの血統は日本の競馬においてもどんどんその存在を強めてくると考えています。

 

今日はそんなドイツ競馬の血統のお話をする前に、

ドイツ競馬自体に関して簡単にですがご紹介していきたいと思います。

 

■ドイツ競馬の歴史

ドイツ競馬の発祥は今からおよそ200年前の1822年、

イギリスから輸入したサラブレッドを用いて、

初めての近代競馬(正式のルールと専用の競馬場に基づいて行われる競馬)が開始されました。

 

そしてその45年後の1867年に、

競馬の統括団体としてウニオンクラブ(日本でいうJRAですね)が創設。

1869年には、第1回のドイツダービーが開催されます。

 

その後20世紀に入り、

ドイツ競馬は第二次世界大戦の影響で壊滅的な資源の損害を被る事となり、

一時は衰退してしまいました。

終戦後の1947年に統括団体として新たに「サラブレッド生産競馬管理委員会」が創設され、現在に至ります。

 

こういった背景も有って、

ドイツ競馬の血統は「古き良き時代のイギリス血統を基礎として、独自の国内血統を築き上げてきた」という形になっています。

 

最近ではドイツ馬が他国に遠征する事も増え、

国際化しているので今後はどんどんドイツ馬にもいわゆる混血の馬が増えてくると思います。

「純粋なドイツ血統」と言えるのは、今現在サラブレッドの3代以内までの血統表に入っているドイツ馬が後期になってくるのかもしれませんね。

 

■ドイツの競馬場

ドイツの競馬場は、いずれも大きな森の中にあるのが特徴で、年間を通して開催されています。

 

①ケルン競馬場

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【競馬場の概要】
ケルンのニッペスにあるケルン競馬場は1897年に設立された、

ドイツで最も歴史のある競馬場の1つです。

1898年に鋳鉄と木骨を使用して建設された伝統的な旧スタンドは、

2004年大幅に改修されました。

【コース】
右周り、1周約2,000mの芝コースでゴール前の直線は3ハロン(約600m)です。

【主要なレース】
5月のメール・ミュールヘンス(Mehl-Mulhens-Rennen)競走(独2,000ギニー:G2)、

ダービー・トライアルである6月のウニオン(Oppenheim-Union-Rennen:G2)競走、

9月のヨーロッパ賞(Preis von Europa:G1)が主要競走です。


ハンブルグ競馬場

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【競馬場の概要】
1952年に「ハンブルグ・レン・クラブ」が創設され、

1855年ハンブルグ競馬場における最初のレースが開催されました。

そして1869年には 初のダービーとなる"ノルドドイチェ・ダービー(Norddeutsche Derby)"が施行されました。

この競走が、ドイツ競馬界において最も重要なレースである現在の "ドイチェ・ダービー(Deutsches Derby)"の前身です。

【コース】
1周2,000mの右回りコースで、急な最終コーナーがあり、500mのファイナルストレッチに続いています。

平地競走のコースの内側には、障害競走用のコースがあります。

【主要なレース】
7月のドイツダービー(Deutsches Derby:G1)が主要競走です。


③ホッペガルテン競馬場 

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【競馬場の概要】
ドイツ最大の競馬場であるベルリンのホッペガルテン競馬場にて、

後のドイツ皇帝ウィリアム1世立会の下、

最初の公式レースが行われたのは1868年です。

ホッペルガルテン競馬場はベルリンの歴史と共に歩み数々の紆余曲折を経てきましたが、

現在はベルリン大賞(G1)を始めとして、

欧州から出走馬を集めるレースを施行するドイツを代表する競馬場になりました。

2013年には国の重要文化財にも指定されています。

 

【コース】
平地競走芝コースは1周2,350mの右回りコースで、ゴール前の直線は550mあります。また、約1,400mの直線コースもあります。

【主要なレース】

毎年8月に施行されるベルリン大賞(Grosser Preis von Berlin:G1)が主要競走です。

 

バーデンバーデン競馬場

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【競馬場の概要】

バーデンバーデン競馬場は、

ドイツ南西部に位置する世界的に有名な温泉保養地バーデンバーデン市郊外のイフェツハイムの広大な自然の中にあります。

その立地から「イフェツハイム競馬場」と呼ばれることもあります。

1858年にバーデンバーデンで貴族御用達のカジノを経営していたフランス人が、

バーデンバーデン競馬場を建設しました。

それ以降は、ドイツ国内で最も人気のある、

バーデン大賞」を施行する競馬場として親しまれてきました。

バーデンバーデンでの競馬は6月のスプリング・フェスティバル開催に始まり、

その後に主要開催である8月下旬のグレート・フェスティバル・ウィーク開催(ドイツのロイヤル・アスコットとも称される)が続き、

10月のセールス&レーシング・フェスティバル開催で幕を閉じます。

【コース】

コースは芝コースのみで左回り、1周2,000m、ゴール前の直線距離は約500mです。

【主要なレース】

毎年9月上旬に行われるバーデン大賞(Grosser Preis von Baden:G1)は、

ドイツ競馬界のレースの中で最も重要なレースです。

 

ミュンヘン競馬場

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【競馬場の概要】

1865年に「ミュンヘン競馬クラブ」が設立され、

その後1867年に競馬場がオープンしました。

ミュンヘン競馬場は150年の歴史を持つミュンヘン市で最古のスポーツ施設です。

1972年のミュンヘン・オリンピック開催時には、

競馬場の施設が馬術競技に使用され、

ミュンヘン競馬場はその名を世界に知らしめました。

【コース】

1周1,830mの左回りコースで、最後の直線は緩やかな上り坂の560mです。1,000mの直線コースもあります。

【主要なレース】

7月のダルマイヤー大賞(Grosser Dallmayr-Preis:G1)

および11月のバイエルン大賞(Grosser Preis von Bayern:G1)が主要競走です。

 

■ドイツの騎手

フィリップ・ミナリク
アンドレアシュ・シュタルケ
アンドレアス・スボリッチ
エドワード・ペドロサ
アンドレアス・ヘルフェンバイン
マリオ・ホーファー
ペーター・シールゲン
トルステン・ムンドリー

 

などなど

 

ミナリク騎手、シュタルケ騎手は、

最近毎年のように来日して日本競馬ではすっかりおなじみのジョッキーですね!

 

 

最後に、シンザン記念の血統的注目馬を↓

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まさに、今回ご紹介したドイツ競馬の血統を持っている有力馬。

今の京都競馬場の馬場はこの馬に合うと考えています。

 

次回は、

知られざる(?)ドイツ血統についてお話をしていきたいと思います(^^)/