サンデーサイレンス系の行方①

サイアーとして日本競馬の歴史を変えたと言われるほどの活躍を収め、

今なおその勢力を拡大しているサンデーサイレンス

 

もはや日本の競走馬の中で、

「彼の血を持たない事が稀少」と言っても過言では無いくらいに、

父系、母系の両方に入り日本競馬の血統の勢力図を塗り替えてきた

 

そんなサンデーサイレンスだが、

その父系としての隆盛を保てるかどうか・・・が今後かなり大きなテーマになってくる。

 

上記したように「日本競馬最大の功労者であり、歴史を変えた血」であるサンデーサイレンスの偉大さから、

まだその父系としての存続を危ぶむ声は多くないように感じている。

 

実際のところ今のサンデーサイレンス系の勢力がどうなっているのか・・・?

確認していきたいと思います。

 

サンデーサイレンスの直仔たち(後継種牡馬

【1992年産】
フジキセキフジキセキ系へ)
ジェニュイン(父系としては衰退)
タヤスツヨシ(父系としては衰退)
マーベラスサンデー(父系としては衰退)

【1993年産】
バブルガムフェロー(父系としては衰退)
ダンスインザダークダンスインザダーク系へ)

【1994年産】
ステイゴールドステイゴールド系へ)

【1995年産】
スペシャルウィークスペシャルウィーク系へ)

【1996年産】
アドマイヤベガ(父系としては衰退)

【1998年産】
アグネスタキオンアグネスタキオン系へ)
マンハッタンカフェマンハッタンカフェ系へ)

【1999年産】
ゴールドアリュールゴールドアリュール系へ)
デュランダル(父系としては衰退)
アドマイヤマックス(父系としては衰退)

【2000年産】
ネオユニヴァースネオユニヴァース系へ)
ゼンノロブロイゼンノロブロイ系へ)
オレハマッテルゼ(父系としては衰退)

【2001年産】
ダイワメジャーダイワメジャー系へ)
スズカマンボ(父系としては衰退)
ハットトリック(父系としては衰退)
ハーツクライハーツクライ系へ )

【2002年産】
ディープインパクトディープインパクト系へ)
スズカフェニックス(父系としては衰退)

【2003年産】
マツリダゴッホマツリダゴッホ系へ)

 

見ての通りサンデーサイレンスはすさまじい数のG1ウィナー、

各世代の最強クラスの競走馬を世に送り出し、

多数の後継種牡馬を輩出している。

 

しかしその後継種牡馬たちは父である偉大なサイアーサンデーサイレンス

そして自身と同じく「サンデーサイレンス産駒」として世に送り出された後継者たちと、

勢力拡大の争いをしなければならなくなった。

 

そうして種牡馬として優れた特性を産駒に遺伝出来ない後継種牡馬たちはあっという間に衰退し、

いくつかの系統が後継のサイアーラインとして残っていくことになっている。

 

では、各サイアーラインの現在の勢力の様子を、見ていくことにしましょう。

 

フジキセキ

サンデーサイレンスの初年度産駒であるフジキセキは、

父に似た黒鹿毛の馬体とその優れた素質から、

デビュー前からこの世代の1番の期待馬として名前が挙げられ、

「三冠候補」との呼び声も高かった馬。

 

しかし弥生賞を制した後に左前脚に屈腱炎を発症していることが判明。

復帰までには1年以上を要すると診断され、そのまま引退・種牡馬入りする事となった。

 

つまり最も最初に父サンデーサイレンスと血の争いをすることになったのが、

このフジキセキという種牡馬なのです。

 

フジキセキ系の後継種牡馬たち

【2002年産】
カネヒキリ(※死亡)

主な産駒:ミツバ(川崎記念)、ロンドンタウン(コリアC)、ディオスコリダー(カペラS)等

【2003年産】
キンシャサノキセキ

主な産駒:シュウジ阪神C)、サクセスエナジーさきたま杯)、ブルミラコロ(室町S)、ヒラボクラターシュ(佐賀記念)など

【2007年産】
ダノンシャンティ

主な産駒:スマートオーディン阪急杯)、サイタスリーレッド(テレ玉杯OS)など


【2008年産】
サダムパテック

主な産駒:サダムゲンヤ(未勝利戦)

 

【2011年産】
イスラボニータ(新種牡馬

 

 

 父サンデーサイレンス同様、

母方の特徴を引き出す傾向のフジキセキからは、

芝短距離~長距離、ダート馬と多彩な産駒が出ました。

 

特に短距離・ダートでチャンピオンを輩出したように、

サンデーサイレンス以上にスピードとパワーを産駒に伝える傾向がありますね。

 

そしてその優れた産駒たちが種牡馬になり、

フジキセキ以上に特化した、悪く言えば頑固に特徴を伝えるようになり、

フジキセキの孫たちはご覧の通り短距離馬とダート馬のオンパレード状態になりました。

 

恐らくですがイスラボニータも、

今後たくさんの短距離&ダート馬を輩出していくことになると予想されます。

 

そしてこういった「偏った傾向の産駒ばかり輩出する」というのは父系衰退の予兆であり、

サイアーラインを継続するという意味ではあまり良い傾向ではないのです・・・

ましてや、フジキセキの孫たちは今のところ得意分野でも「チャンピオン級」と言える産駒を出せていませんからね。

 

こんな感じで、

他の系統についても考察と未来予測を行っていければと思います。

 

系統の把握と、馬券予想の参考に少しでもなれば・・・

という感じですね(*^^)v