血統入門【第24回】才能の化学反応ターントゥ

父からスピードを。

そして母方からはスタミナを取り入れる事に優れ、

多彩な距離や舞台で活躍する産駒を送り出すという事が、

種牡馬の条件の一つです。

 

代を経るごとにスタミナ型にシフトしていくので、

どうしても系統の特徴や距離適性の把握が難しくなってきます。

血統がとっつきにくいと言われてしまう理由の一つでしょう。

 

今日の主人公、

アイルランドからアメリカに輸出され、

活躍したターントゥは、

父から受け継いだ自身のスピードの才能と、

配合相手の強みを活かす繁殖としての能力で、

優秀な後継を残すことに成功しました。

 

そしてその後継種牡馬の血は後に、

日本競馬において絶対的な政権を築く事となっていきます。

その政権の始まりとなった父祖、ターントゥ。

 

今日は彼自身と、

その後継たちの繁栄の様子を覗いてみましょう。

 

■ターントゥ(1951年 アイルランド産まれ)

ターントゥはその産まれこそアイルランドでしたが、

1歳時にアメリカに輸出されて、

競走馬としてもアメリカで活躍した馬です。

 

そのスピード豊かな走りとダート適性はまさにアメリカ馬のものでしたが、

彼の身体の奥には、

確か欧州の血統的遺伝が渦巻いていました。

 

父はスピード豊かな「ロイヤルチャージャー」。

母の父は「アドミラルドレーク」。

 

このアドミラルドレークという馬は非常に名血でして、

その母の「プラッキーリージ」という馬が歴史的な名繁殖牝馬でした。

 

アドミラルドレークの半兄として、

アメリカのリーディングサイアーである

・サーギャラハッド(父テディ)

ブルドッグ(父テディ)

の全兄弟がいますが、この2頭は偉大なるアメリカの活性血統の血です。

 

そして半弟にイギリスのダービー馬である

ボワルセル(父ヴァトゥー)

この馬はイギリスでリーディングサイアーになると共に、

後に1960年代の日本競馬に非常に大きな影響を与えた、

「ヒンドスタン」を輩出しています。

 

ターントゥ系の後継たちが日本競馬に高い適性を見せたのは、

このアドミラルドレークの血が大きく作用していたのも一因かもしれませんね。

 

話をターントゥ自身に戻すと、

この馬は競走馬としても非常に優れた能力を持っていて、

2歳時にデビューすると、

サラトガスペシャルステークス、ガーデンステートステークスなど、

5戦して3勝をあげました。

 

このガーデンステートステークスは、

当時の世界最高賞金レースで、アメリカでは非常に重視されている、

2歳チャンピオンを決定する一戦でも有りました。

 

そして3歳時にも3戦して3勝。

一般競走からダート9Fの大レースであるフラミンゴステークスを圧勝しました。

 

当然、この年のケンタッキーダービーの最有力候補となりましたが・・・

レース直前に不運にも骨折が判明。

8戦6勝という素晴らしくも悔いの残る競走生活に幕を閉じて、

種牡馬入りする事となりました。

 

種牡馬としてのターントゥ

ターントゥはコンスタントに活躍馬を出すタイプの種牡馬ではなく、

ホームランバッター的な種牡馬でした。

 

しかし彼の残した産駒たちは種牡馬としても素晴らしい成績を上げて、

その系統は世界的な発展を遂げています。

 

まずは1956年産の「ファーストランディング」。

種牡馬としては成功しませんでしたが。

アメリカを中心に37戦19勝2着9回という驚異的な競走成績を残しました。

その中でサラトガスペシャルS・ホープフルS・シャンペンS・ガーデンステートS・エヴァーグレイズS・サンタアニタマチュリティS・モンマスH・・・

といったステークス競走も数多く制している、

競走馬としてのターントゥの最高傑作です。

 

そして1958年には、

筆頭の後継種牡馬が誕生します。

後にサンデーサイレンスの父ヘイローやロベルトといった大種牡馬を輩出することになった、

ヘイルトゥリーズンです。

(※この馬は次回詳しく記載していきます。)

2歳時にアメリカで活躍し、18戦9勝2着2回という優れた競走馬でも有りました。

サプリングS・サンフォードS・ホープフルSなどのステークス競走を制しています。

 

さらに翌年の1959年。

サーゲイロードが誕生しました。

この馬は母が名繁殖牝馬「サムシングロイヤル」

アメリカ屈指の名馬である「セクレタリアト」を半弟に持った、

極めつけの良血馬でした。

 

これだけの良血馬ですから、サーゲイロードは現在も優れた血として、

母系に入って多くの活躍馬の底力となっています。

有名な後継種牡馬としては、サーアイヴァーハビタットがいます。

 

サーアイヴァーはオーストラリアの大種牡馬「サートリストラム」の父となり、

日本ではディープインパクトの母の父であるアルザオが、

母の父としてサーアイヴァーの血を持っています。

ディープインパクトの血統表を見る機会は多いと思いますので、

なんとなく見たことあるなあ、という方が多いのではないでしょうか。

 

その他にも母の父としての活躍ぶりは凄まじく、

・ダンジグコネクション(父ダンチヒ

シャリーフダンサー(父ノーザンダンサー

ジョリーズヘイロー(父ヘイロー)

・グリーンデザート(父ダンチヒ

・ザール(父ザフォニック

エルプラド(父サドラーズウェルズ

グッバイヘイロー(父ヘイロー)

代表的なところだと上記のような名馬、名種牡馬たちが、

母の父にサーアイヴァーを保持しています。

 

そしてハビタットは、

なんと言っても日本競馬屈指の名牝であるシーザリオ」の母母父です。

 

シーザリオの子供たちは、

競走馬としても素晴らしいですが、

エピファネイア種牡馬としても大活躍中ですね。

 

明日、秋華賞でデアリングタクトが牝馬3冠を成し遂げると、

初年度産駒から3冠牝馬を出した事になりますから、

これは素晴らしいことです。

種付け料も一気に上がりそうですね。

 

エピファネイアはロベルト系のシンボリクリスエスの産駒なので、

父も母もターントゥ系の強さを根幹として持っている馬、

という事になります。

 

デアリングタクトは母系にサンデーサイレンスも持っていますから、

ターントゥ系の全部のせ、

みたいな血統と言えるかもしれませんね笑

 

 

デアリングタクトの“ハイテンション”対策に陣営は何をした? 順風満帆ではない無敗3冠牝馬への道 - 競馬 - Number Web - ナンバー

 

 

 

クラシックを目前に、

無念のリタイアとなってしまった名馬、ターントゥ。

 

今、そこから半世紀以上の時を越えて、

偉大な子孫が「無敗の牝馬3冠」という大偉業に挑もうとしています。

 

その結果は・・・

明日の決戦で明らかになります。

いまから楽しみで仕方有りません!

 

今回も最後までご覧いただき有難うございました(^^)

ではまた次回。