近年は斤量55kgが強い有馬記念。
今回は牝馬でどういった馬が好走したのかを分析したいと思います。
穴馬でもクイーンズリングなどが好走していて牝馬の活躍が当たり前になっていますが、
今から14年前の2008年のダイワスカーレットが勝利したときは、
「37年ぶり!牝馬の有馬記念制覇!」と言われて驚かれていましたからね。
(まあ、一番人気で影も踏ませぬ圧勝でしたが笑)
余談ですが、私は人生で初めて生で見た有馬記念が、
そのダスカが勝利した有馬でした。
前日は幕張に住んでいる大学の友達の家に泊めてもらい、
一緒に有馬を見に行って、
ダイワスカーレットから馬連総流しで馬券を勝ってレース前はバカにされていたやつが、
レース後はヒーローになっていました笑
(ダスカの作ったハイペースで人気馬たちが総崩れし、
最低人気のアドマイヤモナークが2着に突っ込んで来たため。)
まあ、それくらい牝馬が勝つのは難しかったレースということですよね。
なので、ジェラルディーナが勝つというのは、
結構ハードルが高いレースなんだよという前提を持っておきたいと思います。
過去5年間の牝馬の有馬記念成績
◆2021年
レースラップ:6.9 - 11.3 - 11.6 - 11.5 - 11.9 - 12.5 - 12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 12.0 - 12.5
③4-7 クロノジェネシス ドバイシーマクラシック2着 宝塚記念1着
⑫6-12 シャドウディーヴァ 東京新聞杯3着 マーメイドS3着 府中牝馬S1着
⑮2-4 メロディーレーン 重賞3着内経験なし
◆2020年
レースラップ:6.8 - 11.8 - 12.2 - 12.5 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.8 - 11.8 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.6
①5-9 クロノジェネシス 京都記念1着 大阪杯2着 宝塚記念1着 天皇賞秋3着
②7‐14 サラキア 府中牝馬S1着 エリザベス女王杯2着
④4-7 ラッキーライラック 中山記念2着 大阪杯1着 札幌記念3着 エリ女1着
⑤5-10 カレンブーケドール 京都記念2着 オールカマー2着
◆2019年
レースラップ:6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0
①3-6 リスグラシュー 金鯱賞2着 QE2世C3着 宝塚記念1着 コックスP1着
⑨5-9 アーモンドアイ ドバイターフ1着 安田記念3着 天皇賞秋1着
⑭8-15 アエロリット 安田記念2着 毎日王冠2着 天皇賞秋3着
⑮1-1 スカーレットカラー マーメイドS3着 クイーンS2着 府中牝馬S1着
⑯6-1 2クロコスミア Vマイル2着 エリ女3着
◆2018年
レースラップ:6.8 - 11.6 - 11.8 - 11.9 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 12.2 - 11.6 - 11.8 - 11.8 - 12.2 - 12.9
⑬7-13 スマートレイアー 同年馬券内なし
◆2017年
レースラップ:6.8 - 11.6 - 11.9 - 12.2 - 12.3 - 13.3 - 13.2 - 12.8 - 12.2 - 12.1 - 11.7 - 11.2 - 12.3
②2-3 クイーンズリング 同年3着以内なし
⑪7-13 ミッキークイーン 阪神牝馬S1着 宝塚記念3着 エリ女3着
まず注目したいのは、ここ3年で牝馬がかなり出走数が増えてきている点。
これはおそらく「牝馬の好走が難しいレース」というイメージが軽減されて、
エリ女や牝馬限定重賞の好走馬などの出走が増えたことでしょう。
私が競馬を本格的に始めた10数年前は、
「牝馬=即消し」というイメージでしたからね。
ダスカが異質すぎるという感じでした。
結構戦えていますが、「牝馬優勢」とまでは言えずやはり基本的に牝馬には厳しい舞台というのは変わりないようです。
そして注目したいのがレースラップ。
年内に馬券内実績がなかった2017年のクイーンズリングの2着好走は
「内枠」
「ルメール」
も大きな要因なのでしょうが、
個人的には「道中で 13.3 - 13.2 - 12.8 と大きく緩んだラップ」と、
「直線で11.3という速いラップ(=キレ)が出現したこと」というのが、
もう一つの大きな要因だったと思っています。
このレースは引退レースとなるキタサンブラックが内枠から逃げて、
「若干道中が乱れにくいムード」みたいなものがありましたよね笑
そしてクロノジェネシスが勝ち、サラキアが驚きの2着好走だった2020年。
この年も「12.8 - 12.9 - 12.8」という中緩みのラップ区間が発生しています。
※おまけにこの年は、ラッキーライラックも4着好走。
逆にリスグラシューが勝ち、
それ以外の牝馬はアーモンドアイを含めて惨敗した2019年。
このレースはご覧の通り、
前半から非常に速いラップを刻みながら道中も緩まずに、
ラスト3Fで13.4というラップが出現する「鬼の消耗戦」となりました。
これを見ると、このレースをあの着差で勝った有馬記念出走時のリスグラシューが、
いかに怪物だったかがわかります。
ここが引退レースになってしまったのが、非常に悔やまれるくらい本格化をしていた怪物牝馬でしたね。
そしてこの年は、
2着にサートゥルナーリア、3着にワールドプレミアと3歳牡馬が好走。
4着フィエールマン、5着キセキ、6着シュヴァルグランと、
55kgと長距離戦線の一流馬たちが上位を占めたレースでした。
これらのことから、
今年の牝馬組で筆頭有力馬のジェラルディーナの取り捨てを考えていく必要があります。
今年は12秒台後半〜13秒台を連続して刻むようなラップが、
道中に出現するのか!?
これがジェラルディーナ含めて牝馬組の取捨選択の大きな判断材料になると思っています。
もちろん、ジェラルディーナがダイワスカーレットやリスグラシュー、クロノジェネシスクラスの馬だと判断している方は、
問答無用で重い印をつけるといいと思います!
個人的には、距離適性、父がモーリス、母も有馬を勝ったジェンティルドンナとはいえ、
(7.0 - 11.8 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 13.6 - 13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9)
という謎のどスローペースになったということを考えると、
ちょっと好走(ましてや1着)は厳しいのではないか?
と現段階では考えています。
今年はタイトルホルダーがいますからね。
この馬はラップをそこまで落とさずに逃げるのではないかと思っていますので。
(鈴をつけに行きそうなディープボンドが大外になってしまったので、
積極策=前半ハイペース、末脚温存追い込み=後半ハイペースに寄りそうですが・・・)
ということで、次回はタイトルホルダーが出走したレースのラップを分析してみたいと思います(^^)