過去の好走馬分析で「古馬の牡馬は春の長距離戦線の好走馬が好相性」
という傾向を記載しました。
どうしても上半期のグランプリは宝塚記念、
下半期のグランプリが有馬記念、
ということなので下半期のレースが最重要視されると思いますが、
古馬は上記した長距離戦線。
3歳馬は皐月賞と、有馬記念につながるレースが上半期にも眠っています。
今回は、上半期のレースで関連性が高そうなものをピックアップして分析していきます!
①7-11 ディープボンド
レースラップ:13.0 - 12.0 - 12.6 - 12.6 - 12.9 - 12.7 - 12.3 - 12.7 - 12.6 - 12.6 - 11.9 - 11.6 - 11.6 - 11.5 - 12.4(3.05.0)
前半ゆったり目のペースからの後半消耗戦の様相。
ラストにかけてディープボンドなどの有力馬が進出してきたこともあって、
ラスト5F目からペースが早くなりました。
このレースを外を回して捲り切り、差し切りを決めたディープボンドの抜けた強さが、
とにかく目立ったレース。アイアンバローズも早め先頭からよく粘りきりました。
マカオンドールは同じ進路で最後甘くなったし、
シルヴァーソニックは内をうまく立ち回って脚を残していました。
◆日経賞(中山2500m・稍)
①6-11 タイトルホルダー
②4-6 ボッケリーニ
⑨7-13 ラストドラフト
レースラップ:6.9 - 12.0 - 12.6 - 12.6 - 12.7 - 13.4 - 13.4 - 12.8 - 12.3 - 12.0 - 11.7 - 11.2 - 11.8(2.35.4)
馬場もタイトルホルダーの状態も重かった一戦。
走るフォームもバタバタしていて、
明らかに状態が悪そうでしたが、逃げ切ったタイトルホルダーは強かった。
ボッケリーニはうまく内を立ち回ってタイトルホルダーを追い詰めました。
ボッケリーニが外目の枠を引く前はこのレースを評価して穴評価している人もちらほら見かけましたが、
ラップ的にはご覧の通り前半ユルユルからの後半3F戦。
有馬記念の傾向とはかなり違うものであったと考えます。
①4-8 ポタジェ
⑨3-6 エフフォーリア
レースラップ:12.3 - 10.3 - 12.0 - 12.2 - 12.0 - 12.1 - 11.7 - 11.5 - 11.8 - 12.5(1.58.4)
有馬記念を制して人気絶頂だったエフフォーリアの2022年初戦。
衝撃の結果となったこのレースの、
勝者側と敗者側が今回どちらも有馬記念に出走してきます。
逃げたジャックドールと、逃げたかったアフリカンゴールド。
そしてスピード自慢の中距離牝馬レイパパレなどが先段にいて、
いわゆる淀みのない流れのスピードが問われるレースになりました。
このレースのポタジェは本命にしていたので画面を穴が空くほど見ていましたが、
明らかに普段のこの馬とは行きっぷり、
4コーナーでの手応えが違っていました。
反対にエフフォーリアは歯車を狂わせてしまった。
レース自体に明確な敗因があったというよりは、
エフフォーリア自身の心身の状態の問題が表出してきたレースでした。
有馬記念とのラップ関連度は、高くないと思います。
スピード質が高く問われたレースでした。
◆皐月賞(中山2000m・良)
②8−18イクイノックス
⑨5-10ジャスティンパレス
レースラップ:12.6 - 11.0 - 11.6 - 12.2 - 12.8 - 12.3 - 12.3 - 12.0 - 11.4 - 11.5(1.59.7)
後々の出走馬たちの活躍を見ると、
メンバーレベルの高い一戦でした。
というか、今年は3歳馬の、特に中距離戦線の牡馬は世代レベルが高そうですね。
イクイノックスは本来のこの馬の得意な形である、
スタートから長い直線をうまく活かして前につけると、
そのまま外々回って早めに進出。
直線は早々に先頭集団に躍り出ました。
このときの中山は内が死んでいたのは有名な話で、
結果的に18番という枠は不利ではなかったと考えています。
ジオグリフに差されたのは早めに先頭に立ったので、
福永Jの渾身の好騎乗に目標にされた分。
イクイノックスの地力の高さが目立ったレースになりました。
ジャスティンパレスはMデムとの相性がイマイチで、
スタートは伸び上がるような格好で出遅れ気味。
外を回ったのは良かったですが、ロスも多く直線は伸びきれず。
加えて皐月賞、ダービーの春シーズンはストライドも伸び切らず、
走りもバタバタした感じで状態も良くなかったんですね。
秋は別馬のような走りを見せていますので。
またレース的にはラスト2F→1Fのラップが早く、
スタミナよりもスピード質の求められるレースでした。
有馬記念への適正関連度はそこまで高くないと見ています。
①8-16 タイトルホルダー
②8-18 ディープボンド
レースラップ:12.7 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 12.2 - 12.8 - 13.3 - 12.9 - 12.3 - 12.0 - 11.9 - 11.5 - 11.7 - 13.2(3.16.2)
タイトルホルダーが強すぎたレース。
2着ディープボンドと3着のテーオーロイヤルもステイヤーとしての高い能力を示しましたが、
巧みなペース配分で幻惑した逃げを披露したタイトルホルダーに、
上がり最速(しかも2位より上がりでも0.6速い)を使われてはお手上げでした。
4着のヒートオンビートも結構大きく離れていましたが、
ヒートオンビートだって重賞で何度も馬券になっている強い馬ですからね。
ラップを見て思うのは、
「タイトルホルダーのスタミナとスピードの高次元での兼備っぷり」です。
前半を緩みないラップで逃げて、中盤過ぎで一度息をいれ、
4コーナーから直線入り口は中距離レース並みのラップを刻んでいます。
タフな阪神の長距離G1で前半緩みなく逃げて、
これだけの脚を温存しておけるスタミナと操縦性の高さ。
そしてスピード能力には、正直脱帽ですね・・・。
◆日本ダービー(東京2400m・良)
②8-18 イクイノックス
⑨5-9 ジャスティンパレス
レースラップ: 12.5 - 10.8 - 11.8 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.7 - 12.0(2.21.9)
見ての通り全体的に締まったきれいなラップのレース。
このラップからも、今年のダービーのレベルの高さが伺えますね。
イクイノックスは不利な大外枠から外を回って末脚を爆発させる王道のレース運び。
同じく末脚にかけたドウデュースには僅かに及びませんでしたが、
この馬の基礎スピードの高さと東京適性と、
切れ味の確かさがわかるレースでした。
ジャスティンパレスはスタート好発から好位置でレースを進めて直線を迎えるも、
直線では脚が残っておらず、
よれによれて他馬にも迷惑をかけるくらいフラフラ。
右ムチを入れたときの内へのよれ方は、
明らかに不調さとスタミナ切れを物語っていました。
(まあ、複数のレースを見ていると、
そもそもこの馬自体結構ふらつきグセのある馬っぽいですが)
スローからの直線勝負戦ではなく、
総合力が求められるレベルの高いレースになったと思います。
2着馬と3着馬が、後にG1馬になったのも順当で納得。
①3-6 タイトルホルダー
④7−15 ディープボンド
⑥2-4 エフフォーリア
⑪8-18 ポタジェ
12.5 - 10.4 - 11.0 - 12.1 - 11.6 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 12.4(2.09.7 R)
パンサラッサの出走でかなり速い流れのレースになった一戦。
前半のハイペースはパンサラッサの逃げ。
そしてパンサラッサが「強い逃げ馬だった」事により、
レースの後半戦に入っても息が抜けない展開になり、
流石にパンサラッサが苦しくなったところで、
タイトルホルダーが主導権をGET。
本命視していたディープボンドは外枠から長い直線を活かして果敢にタイトルホルダーをマークしに行きましたが、
結果的にタイトルホルダーに乾杯する格好になってしまい、
その分が響いてデアリングタクトにも競り負けてしまう結果に。
天皇賞春に続いて高次元でのスタミナだけでなく、
馬場も速く一流中距離としてのスピードが問われ続けたレースとなり、
後者の能力では数段劣るディープボンドには厳しいレースになった。
エフフォーリアはここでも完調には至らず、
ただ、大阪杯よりは差し馬に展開が向いたレースになった分、
最後の追い上げは目立っていました。
それを考えても、とにかくタイトルホルダーの怪物ぶりが際立ったレースとなりました。
こうしてまとめると、
上半期の中距離レースは本当にレベルの高いレースが多かったですね。
特にタイトルホルダーのレベルの高さが大きく引き上げたと、
3歳クラシックのレベルの高さが大きく底上げをしてくれたと思います。
▼上半期の実績からの印
◎タイトルホルダー
◯イクイノックス
▲ディープボンド
ここでは、まだボルドグフーシュは無名。
ジャスティンパレスもよくいる「クラシックでは通用しない馬」
に過ぎませんでした。
下半期の分析結果も楽しみですね(^^)