血統のエッセンス③ サンデーサイレンスの後継種牡馬短距離編

​​​​​​​​​​​日本競馬の革命の使者サンデーサイレンス
その血を受け継いだ直仔たちの活躍は凄まじく、
「13年連続リーディングサイアーという世界でも類を見ない恐ろしい大記録を打ち立てた。

ここではそんな偉大過ぎるサンデーサイレンスの後継種牡馬たちを、
ジャンル別に分かりやすくご紹介していきましょう!


■→種牡馬名を記載します。
影響血脈→その種牡馬の血の中で、核となっていて特徴を表している血を記載します
※この核となっている血が、同じ父サンデーでも多彩な産駒が出ている所以となっており、
 他のサンデー系の種牡馬との差別化となっています。
特徴→その種牡馬の特徴を分かりやすく箇条書きで記載します。
代表産駒→特に優秀な成績を収めた代表産駒を記載します。
後継種牡馬→サンデーの孫の代に当たる、その種牡馬の後継種牡馬を記載します。
当然現役時代活躍した馬なので、種牡馬の特徴を把握するために役立つと思います。


【sprint~Mileスピード型】
​​​​■フジキセキ​​
​▼影響血脈
インリアリティ
▼特徴
インリアリティのパワー、スピード、マイル適正を伝える
・スピードと完成度に優れているため、2歳戦に強い
・3歳までは距離をこなすが、古馬になると適正がマイル寄りになってくる
サンデーサイレンス程ではないが、母系の特徴やストロングポイントを出しやすい
▼代表産駒
ダイタクリーヴァドリームパスポートサダムパテックカネヒキリキンシャサノキセキダノンシャンティイスラボニータコイウタエイジアンウインズストレイトガールなど

▼後継種牡馬
ダイタクリーヴァドリームパスポートサダムパテックカネヒキリキンシャサノキセキダノンシャンティイスラボニータ​​​​​​​​

なんとなーくフジキセキという種牡馬の特徴がつかみづらいのは、
​​「フジキセキは比較的母系の特徴を活かす種牡馬」​な為だと考えています。​
長距離適正のある母系であればドリームパスポートを、
ダート適正の高いデピュティミニスターが母父に来るとカネヒキリを、
そしてオーストラリアのスピード血脈からはキンシャサノキセキを。
​その為、フジキセキは他のサンデーサイレンス産駒の後継種牡馬と比べても、
圧倒的に後継種牡馬が多くその勢力を拡大しています。
​「母系の特徴をしっかりと引き出す種牡馬が生き残っていく」​
これは全ての系統の種牡馬に共通して言える事なので、しっかりと覚えておいて頂ければと思います!

そんな中で、フジキセキの核となっている血は母母父のインリアリティの血​ですね。
​これはリアルインパクトの母母父でもあり、パワーとスピードとマイル適正を強く伝える血です。
​「マイル寄りのサンデーサイレンス(ちょっと劣化版・・・)」というイメージですね。

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ダイワメジャー​​​​​​​​​​​​​​
▼影響血脈
ノーザンテースト
▼特徴
ノーザンテーストのパワー、スピード、ガッチリ、早期完成の特徴をしっかりと伝える
・スピードと完成度に優れているため、2歳戦に強い
・特に牡馬は古馬になると体質もよりスプリント寄りになってきて、かつ早熟傾向
・距離は短距離~2000mまでが基本
・重賞勝ちは1800mまで。しかも2勝のみでいずれもカレンブラックヒルの勝ち鞍
▼代表産駒
カレンブラックヒルコパノリチャード、アドマイヤマーズ、メジャーエンブレム、、レーヌミノル
ミスパンテール、シゲルピンクダイヤなど
▼後継種牡馬
カレンブラックヒルコパノリチャード

サンデーサイレンスが多彩な距離適性や特徴を持った産駒を輩出したのに比べ、
ダイワメジャーは非常に「ガンコな種牡馬」と言えますね。
「俺の特徴を子供たちにしっかりと受け継がせろ」と主張する亭主関白タイプです。

一つは距離適正。
直近ではアドマイヤマーズが唯一皐月賞で崩れたように、
とにかく重賞レベルになるとマイル以上では厳しい結果となっています。

理由はとにかくシンプルで、
上記したようにダイワメジャーノーザンテーストのガッチリ体形、パワー、スピード
を強く伝えるためです。
その為中距離~長距離で必要な「溜めてキレる脚」とは、逆の強みを持った産駒がほとんどなのです。

なので一口馬主でもPOGでも、
クラシックを取りたい!!と思ったらどんなに母系が良くても、
取ってはいけない種牡馬です。
しっかりと割り切って、アドマイヤマーズのように「朝日杯とNHKマイルを獲れる馬」
という狙いで出資をするようにしましょう。
(今年でいうとアブソルティスモなんかはこのタイプですね。新馬戦では超スロー逃げという、
ダイワメジャー産駒でやってはいけない先方でサリオスにキレ負けしてしまいましたね・・・)

​■マツリダゴッホ​​​​​​​​​​​​​​
▼影響血脈
ボールドルーラー
▼特徴
ボールドルーラーのスピード、一本調子性、早期完成の特徴をしっかりと伝える
・スピードと完成度に優れているため、2歳戦に強い
・自身は中距離を得意としてた「中山の鬼」だったが、産駒にはガンコに短距離適性を伝える
・距離は短距離~マイルまでが基本
・いまのところ一番の大物がロードクエストで、基本的に牝馬が強く種牡馬としては少し厳しい状況・・・
▼代表産駒
マイネルプロンプト(※障害)、ロードクエストマイネルハニー、アペルトゥーラ、アリンナなど
▼後継種牡馬
無し

今のところ、ダイワメジャーの劣化版という立ち位置になってしまっているのかな・・・と。
ダイワメジャーがガンコにノーザンテーストを伝えるように、
マツリダゴッホはガンコにボールドルーラーのスピードを一本調子性を伝えている印象。

中距離をこなす産駒は、
ロードクエストマイネルハニーが代表的ですが、
ロードクエスト古馬になってどんどんスプリントに寄ってきましたね。

今の状況ではPOGでいい成績を期待するのは厳しいでしょう。
ノルマンディー等で安く、長く、短距離で活躍してくれる産駒を狙う種牡馬かなという感じ。


今回は短距離のサンデー系種牡馬たちをご紹介しました。
こうして横の比較をすると、同じサンデーサイレンスの子供でも、
「母系の特徴を活かすのか、ガンコに自分の特徴を伝えるのか」で大分その後の発展性が、
変わってくるのだという事が分かりますね!!


上にも書きましたがこれは他の系統でも言える、
種牡馬全般にとって非常に重要な分岐点になる要素なので、
是非血統予想やPOG、出資馬検討の際には意識して下さい!!!