2021年凱旋門賞の予想

凱旋門賞

 

世界最高峰のクラシックディスタンスのレースとして圧倒的な歴史と格を誇るこのレースは、

過去に何頭もの名勝負を繰り広げた名馬を、

そして名種牡馬や名繁殖牝馬を輩してきました。

 

日本のダービーやオークスジャパンカップといった同距離のクラシックディスタンスレースとは比較にならないほどの重厚さとタフさとパワーを求められるこのレースでは、

サドラーズウェルズを起点としたサドラーズウェルズ系統、

それからダンチヒのスタミナ分岐系統のグリーンデザート系統(特に母アーバンシーシーザスターズは特筆)、

それから母系にニジンスキーの血(ニジンスキー自身は凱旋門賞ササフラの2着)、

世界を又にかけるデインヒルの血、、、

 

とまあここまでが偉大なるノーザンダンサー系の後継種牡馬の中で、

欧州の一流レースで重要となっている「標準装備」の血。

 

そして凱旋門賞では特に重要ながら目立たない(というかメジャーでは無いためノーザンダンサー系統の血と比べて話題に出にくい?)

血統があります。

それが以下の二つです。

 

・ミルリーフ系(とくにシャーリーハイツの分岐)

・ドイツ血統(とくにチンギスハーン系統)

 

主にこれらの血を保持していて、

レース実績のある、かつ順調にここに向けてステップを踏んできている馬たちをピックアップしてみました。

 

●アダイヤー(牡3) イギリス W.ビュイック

今年の3歳世代の、ゴドルフィンの1番手。

ここに駒を進めるまでに英ダービーキングジョージという最重要レースを制して来ており、

この凱旋門賞を制することで、

3歳馬として欧州競馬の最高のキャリアを得ることになります。

 

血統的にはガリレオ×デインヒル配合のフランケルを父に持ち、

母父にDubawi(シャーリーハイツ持ち)、母母父Caerleon(ニジンスキー系統)

という配合で4代母父にミルリーフという重厚な血統構成。

実績、血統、鞍上と3拍子揃っているこの馬は、

今年の凱旋門賞制覇の最有力候補と見ました。

 

●ハリケーンレーン(牡3) イギリス J.ドイル 

降雨の影響をプラスと考えていると言われている、

ゴドルフィン第2の馬。

ビュイック騎乗で英ダービーをアダイヤーの3着に敗れた後は、

愛ダービーパリ大賞、そして長距離レースのセントレジャーを3連勝し、

勢いそのままに凱旋門賞に挑むスタミナホース。

 

アダイヤーと同じく父はフランケル

母父にドイツ血統のShiroccoで、

母母父ドクターデヴィアス

 

4代母父にシャーリーハイツ産駒のダルシャーンを持つ、

凱旋門賞向きの血統です。

 

●アレンカーとトルカータータッソ

 

この2頭を大穴として期待。

ともにAdlerflugという日本ではあまり馴染みのない種牡馬の産駒ですが、

この種牡馬サドラーズウェルズ系統で、

父がサドラーズウェルズ×シャーリーハイツという、

完全なる凱旋門賞血統のIn the Wingsという馬で、

母父ラストタイクーンもミルリーフ持ちという、

凱旋門賞では目が離せない血統構成。

 

昨年2着のIn Swoopがこの種牡馬の産駒で、

これから実績が増えて来そうな今が青田刈りのタイミング。

 

まあアレンカーはG1勝ちがありませんし、

トルカータータッソはドイツ競馬しか経験がないので、

実績面で劣るのは百も承知。

 

ただ日本馬よりは全然買いたいですし、

オッズ妙味を考えたら捨てきれず、

連系の相手として押さえておきたい二頭です。