【有馬記念】考察④ 牝馬の考察

私が競馬を始めた頃(20年近く前)には、

牝馬が勝つなんて歴史的快挙。

好走しても驚き。

そんなレースでしたが、ここ数年は牝馬であることがむしろ不気味というか、

3歳勢と同じく斤量の恩恵もあってか、好走馬が出まくっている状況。

 

今年も牝馬が多く出走しており、

有力馬も不気味な穴馬も多く取り捨てに迷うところ。

そんな牝馬で、どういった馬が好走してきたのかを分析したいと思います。

 

過去5年間の牝馬有馬記念成績

◇2022年

レースラップ:7.0 - 11.3 - 11.7 - 12.1 - 12.5 - 13.1 - 12.7 - 12.4 - 11.8 - 11.9 - 12.2 - 11.4 - 12.3

③3-5 ジェラルディーナ オールカマー1着 エリザベス女王杯1着 

④1-2 イズジョーノキセキ 府中牝馬S1着

⑥4-8 ウインマイティー マーメイドS1着

⑮1-1 アカイイト 連対なし

 

◇2021年

レースラップ:6.9 - 11.3 - 11.6 - 11.5 - 11.9 - 12.5 - 12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 12.0 - 12.5

 

③4-7 クロノジェネシス ドバイシーマクラシック2着 宝塚記念1着

⑦7-13 アカイイト エリザベス女王杯1着

⑪3-6 ウインキートス 目黒記念1着 オールカマー2着

⑫6-12 シャドウディーヴァ 東京新聞杯3着 マーメイドS3着 府中牝馬S1着

⑮2-4 メロディーレーン 重賞3着内経験なし

 

◇2020年

レースラップ:6.8 - 11.8 - 12.2 - 12.5 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.8 - 11.8 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.6

 

①5-9 クロノジェネシス 京都記念1着 大阪杯2着 宝塚記念1着 天皇賞秋3着

②7‐14 サラキア 府中牝馬S1着 エリザベス女王杯2着

④4-7 ラッキーライラック 中山記念2着 大阪杯1着 エリザベス女王杯1着

⑤5-10 カレンブーケドール 京都記念2着 オールカマー2着

⑩2-4 ラヴズオンリーユー 鳴尾記念2着 エリ女3着

 

◇2019年

レースラップ:6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0

 

①3-6 リスグラシュー 金鯱賞2着 QE2世C3着 宝塚記念1着 コックスP1着

⑨5-9 アーモンドアイ ドバイターフ1着 安田記念3着 天皇賞秋1着

⑭8-15 アエロリット 安田記念2着 毎日王冠2着 天皇賞秋3着

⑮1-1 スカーレットカラー マーメイドS3着 クイーンS2着 府中牝馬S1着 

⑯6-1 2クロコスミア Vマイル2着 エリ女3着

 

◇2018年

レースラップ:6.8 - 11.6 - 11.8 - 11.9 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 12.2 - 11.6 - 11.8 - 11.8 - 12.2 - 12.9

 

⑧2-3 モズカッチャン 札幌記念3着 エリ女3着

⑬7-13 スマートレイアー 同年馬券内なし

 

やはり近年、牝馬の好走が増えるに伴って、

牝馬の出走頭数も増えていますね。

そして太字にした馬券内馬の実績を見てもらえば分かりますが、

有馬記念で好走する牝馬は同年にしっかりとG1で連対実績を上げている」

というのがここ数年の傾向です。

 

そして今年も注目したいのがレースラップ。

 

昨年記載した2017年のクイーンズリングの2着好走は

「内枠」

ルメール

も大きな要因なものの、

「道中で 13.3 - 13.2 - 12.8 と大きく緩んだラップ」と、

「直線で11.3という速いラップ(=キレ)が出現したこと」というのが、

もう一つの大きな要因だったと考えています。

 

そしてクロノジェネシスが勝ち、サラキアが驚きの2着好走だった2020年にも、

「12.8 - 12.9 - 12.8」という13秒台に届きそうな中緩みのラップ区間が3Fにわたって発生しています。

※おまけにこの年は、ラッキーライラックも4着好走。

 

逆にリスグラシューが勝ち、

それ以外の牝馬はアーモンドアイを含めて惨敗した2019年。

このレースはご覧の通り、

前半から非常に速いラップを刻みながら道中も緩まずに、

ラスト3Fで13.4というラップが出現する「鬼の消耗戦」となりました。

これを見ると、このレースをあの着差で勝った有馬記念出走時のリスグラシューが、

いかに怪物だったかがわかります。

牝馬で締まったラップの有馬記念を好走するには、

宝塚記念をぶっちぎって海外でもG1を勝つような、

「男勝りの怪物牝馬」でないと厳しいという事ですね!!

 

さらにこの年は、

2着にサートゥルナーリア、3着にワールドプレミアと3歳牡馬が好走。

4着フィエールマン、5着キセキ、6着シュヴァルグランと、

55kgと長距離戦線の一流馬たちが上位を占めたレースでした。

 

・厳しいラップを刻んだときは、

「超怪物級牝馬」(スターズ?スルーセブン?)

「3歳馬」(ソール?タスティ?ハーパー?)

「長距離戦線の一流馬」(タイトル?パレス?ボンド?)

に向くレースになるという事でしょう。

 

これらのことから、

今年の牝馬組の取捨を考えていく必要があります。

 

今年は

・12秒台後半〜13秒台を連続して刻むようなラップが、

道中に出現する緩いレースになるのか!?

牝馬のキレを活かせる11秒台のラップがラスト3Fで出現するようなレースなのか?

 

これが牝馬組の取捨選択の大きな判断材料になると思っています。

 

以上の事を元に、

今年の出走牝馬の実績と短評を記載していきたいと思います。

 

2-3 ホウオウエミーズ 福島記念1着

 →枠はイイが、実力と実績不足。血統的にもカナロア×タキオンで2000迄。

 

4-8 ライラック 府中牝馬S3着 エリザベス女王杯4着

 →昨年G1で2着や、今年の日経賞エリザベス女王杯杯で見せた実力は不気味も、

 実績は不足。

 血統的にはオルフェ産駒で、遠征が無いのは大幅プラス。

 秋以降は体重も増えて、戸崎Jとも手が合い安定感も増している。

 直線でスピードが求められる展開なら3着あっても。

 牝系もスカーレット牝系で有馬で実績複数あり。

 

6-11 ハーパー オークス2着 秋華賞3着 エリザベス女王杯3着

 →安定感あるも、実績は物足りない。

 血統的にはハーツクライ×北米&南米牝系で、合わない。

 立ち回りを活かしたい馬が鞍上ルメ→岩田望スイッチで枠も外なので、ハイでもスローでも厳しそう・・・

 

6-12 ウインマリリン  BCF&Mターフ4着

 →今年は明らかに下降線。

 勢いが最重要なロベルト系なので、6歳という事もあってこれは厳しい・・・

 

8‐15 スルーセブンシーズ 中山牝馬1着 宝塚記念2着 凱旋門賞4着

 →実績的にはこの馬。

 血統的にもドリームジャーニー(スタミナ)×クロフネ×スピード牝系で、

 構成としてはクロノジェネシス感。

 ただそれだけに・・・不利な15番枠は勝ちきるには痛恨。

 上手く立ち回って追い込めば、馬券内は全然アリかと。

 

8-16 スターズオンアース 大阪杯2着 ヴィクトリアM3着 JC3着

 →スルーセブンシーズに次ぐ実績。実力最上位で鞍上が最強も、

 大外枠は痛恨・・・

 この馬も立ち回りを活かしたいというか器用なタイプなのと、

 桜花賞秋華賞大阪杯などを見てもドイツ血統らしい「イン差し」が出来る馬なので、尚の事内目の枠が欲しかった。

 キングマンボ系牝馬なのでタイトなレースにならないのが希望なだけに、

 枠も含めて今回はいろいろとかみ合わなそう。

 来たら大拍手で天晴れという感じで、思い切って切り。

 

今年は牝馬の取捨が馬券収支に大きく影響しそう!

最後までしっかりと悩んで後悔の無い買い方をしたいです。